05.15.04:43
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04.19.12:38
記憶:4
こんにちは。
先週は寒くて大変でした。。皆様、体調にはお気をつけ下さい!
TFA、なんだか色々突っ込まずにはいられなかった。(以下、反転)
●ビーの口癖「いっきまーす!」は毎回言うパターンのやつ?
●3話で司令官、死亡。悲しむ間もなく・・すぐさま復活。恐れ入りました。
●プロールの「お義父さん」発言!!!ちょwそーゆーの一番弱いよw一瞬でプロール熱上がった!
●スタうざかわいいかった!でも「ボス」じゃなくて「ニューリーダー」って言って欲しかったよ。
●スタのあいちゃんに対する「この、ちゃんこ鍋が!!」がよかったww
●スタ:「大漁~♪大漁だぜ~♪今日は大宴会だ~!」えぇ!?その宴会どうやったら参加できますか!?と、思ったのは私だけじゃないと思いたい。
結局は、話をハショりすぎて繋がらなくなってないか・・?と一抹の不安がよぎるんです。おーまいが。
来週からいきなり音波さんですか・・!?原語版だとビーとプロールの話じゃなかったっけ・・?
でもバルクヘッドもとい、あいちゃんが可愛い回だから期待!!!
そしていつも温かい拍手とお言葉、本当にありがとう御座います!!更新が遅くて申し訳ありませんが・・これからもお楽しみいただけたら幸いです!!
頂いたメッセージにお返事させて頂きます!(以下:反転)
4/13 14:15様 上手く感想を伝えられなくて~
舐めるように読んでいただけたなんて・・!最高の褒め言葉です!!ありがとう御座います!!
自身も、あまりに爽やかなオプとメガ様の妄想が止まらず、色んな意味で毎週土曜が楽しみで仕方ありません!きっとTFAのオプは「そういう行為」がある事を知らないと思います。んで、メガ様に出逢って色々教わっていくうちに目覚めていったらいいな・・!願望。
そして先生の方弁は薩摩でしたか・・!親切に教えていただき、ありがとう御座います・・!!とっつあんもこれから沢山目立っていって欲しいです!
更新が遅くて申し訳ありませんが・・これからもよろしくお願い致します!!
続きを読む>に「記憶:4」(音波×サンクラ)を上げます。
とうとう音波がサンクラに事実を伝えます。知らなかった事実にサンクラ、驚愕。
●他、小説はカテゴリーからどうぞ●
「記憶:4」
「結局、デコチューは何の意味も無かったんだってさ!全く、あいつ何考えてるのか解らねーよ。」
スタースクリームは珍しく真面目に研究をしていたらしく、部屋に押しかけたら凄い渋い顔をされたが気を使う事もなくここでの自分の特等席、寝台に寝転がりながら話す。
「お前は・・それを話すだけでここに来たのか?」
「そうだけど。」
「あーっ・・そ。」
デスクに頬杖をつきながら不機嫌そうにするスタースクリームは自分の能天気な回答を聞くと溜息をつき、またこちらに背を向けて作業を始めた。
「なぁ、聞いていいか?」
「何を。」
「昨日、スカイファイアーと何で付き合ってるのか聞いたら暇つぶしって言ってたけど・・・それって本当?」
スタースクリームが変なボタンを押したのか、ビー!っといきなり高い音がした。
「・・てめぇ・・何聞いてんだよ!」
「気になったから。」
前回、質問した時とは違い『スカイファイアー』という単語を聞いただけで血相を変えてこちらに振り向いた様子を見ると、二人の間に何かあったらしい。
「・・あいつとは何でもねーよ!それより俺様は忙しいんだ!さっさと帰れ!」
「えー!俺の部屋、空調壊れて寒いから帰りたくないんだよ!あ、そうだ!この前・・」
ぎゃーぎゃー言い争いながらスタースクリームは自分の腕を掴んで寝台から引きずり下ろそうとすると突然、扉が開く音がした。
「スタースクリーム!何を遊んでおる!!さっきから何っ回も呼び出しておるだろうが、この馬鹿者!!さっさとワシの部屋に来い!!」
部屋中にメガトロン様の怒号が響き渡る。
自分の場所からは死角になってメガトロン様が見えない為、いきなりの大声に驚いた。
「メ…メガトロン様!こいつが悪いんですぜぃ?!」
「サンダークラッカーは非番だ!勤務のある貴様が一緒に遊ぶほうが悪い。解ったら今すぐ来い!!」
自分の腕を引っ張り出しスタースクリームは言い訳をしたがメガトロン様にさらっと流され、挙句にはげんこつを喰らっていた。
いやー、これは痛そうだ。
流石のスタースクリームも怒り心頭のメガトロン様を追いかけ、こちらを振り返りながらも部屋を出て行った。
どう見ても、いつも通の展開だ。
「・・ま、ゲームでもして待ってるか。」
=========
スタースクリームがラウンジの冷庫に八つ当たり、思いっきり閉める。
スタースクリームは珍しく真面目に研究をしていたらしく、部屋に押しかけたら凄い渋い顔をされたが気を使う事もなくここでの自分の特等席、寝台に寝転がりながら話す。
「お前は・・それを話すだけでここに来たのか?」
「そうだけど。」
「あーっ・・そ。」
デスクに頬杖をつきながら不機嫌そうにするスタースクリームは自分の能天気な回答を聞くと溜息をつき、またこちらに背を向けて作業を始めた。
「なぁ、聞いていいか?」
「何を。」
「昨日、スカイファイアーと何で付き合ってるのか聞いたら暇つぶしって言ってたけど・・・それって本当?」
スタースクリームが変なボタンを押したのか、ビー!っといきなり高い音がした。
「・・てめぇ・・何聞いてんだよ!」
「気になったから。」
前回、質問した時とは違い『スカイファイアー』という単語を聞いただけで血相を変えてこちらに振り向いた様子を見ると、二人の間に何かあったらしい。
「・・あいつとは何でもねーよ!それより俺様は忙しいんだ!さっさと帰れ!」
「えー!俺の部屋、空調壊れて寒いから帰りたくないんだよ!あ、そうだ!この前・・」
ぎゃーぎゃー言い争いながらスタースクリームは自分の腕を掴んで寝台から引きずり下ろそうとすると突然、扉が開く音がした。
「スタースクリーム!何を遊んでおる!!さっきから何っ回も呼び出しておるだろうが、この馬鹿者!!さっさとワシの部屋に来い!!」
部屋中にメガトロン様の怒号が響き渡る。
自分の場所からは死角になってメガトロン様が見えない為、いきなりの大声に驚いた。
「メ…メガトロン様!こいつが悪いんですぜぃ?!」
「サンダークラッカーは非番だ!勤務のある貴様が一緒に遊ぶほうが悪い。解ったら今すぐ来い!!」
自分の腕を引っ張り出しスタースクリームは言い訳をしたがメガトロン様にさらっと流され、挙句にはげんこつを喰らっていた。
いやー、これは痛そうだ。
流石のスタースクリームも怒り心頭のメガトロン様を追いかけ、こちらを振り返りながらも部屋を出て行った。
どう見ても、いつも通の展開だ。
「・・ま、ゲームでもして待ってるか。」
=========
スタースクリームがラウンジの冷庫に八つ当たり、思いっきり閉める。
「あー・・もう!!」
取り出したエネルゴンジュースを一気飲みすると勢いよくパックを置き、メガトロンに怒られた原因の元をサウンドウェーブに向けた。
元はと言えば、あいつが回りくどい事しなきゃサンダークラッカーだって何回も俺のとこに相談なんて来なかったはずだし、さっきも俺様は怒られずに済んだ。
つくづく腹の立つイカレ参謀だな。
エネルゴンジュースを一気飲みしただけでは気は収まらず、冷庫を再び開けて上のほうを見るとアイスが隠してあった。
「誰のか知らねーけど、名前書いておかないのが悪いぜ!」
アイスをつかみ取り意気揚々とラウンジを出て自室に戻ろうと歩いていたら、前方に見える人物のお陰で忘れていた苛立ちが再び込み上げてきた。
どういう展開なのかサウンドウェーブはこちらの存在に気がつく素振りも見せず、何をするでもなく、自分の足元をじっと見つめサンダークラッカーの部屋の前で立ち尽くしている。
「・・おい、何やってんだよ。」
「 別に」
自分の声に反応したサウンドウェーブは頭を上げ、その場を立ち去ろうとした。
「おぃおい、別にじゃねーだろ。ちゃんと話してやれよ!お前のせいで俺様も迷惑してんだ!!」
歩き出そうとするサウンドウェーブの前に回り込み詰め寄る。
「お前に迷惑かけた覚えはない」
「十ッ分迷惑かかってんだよ!お前がはっきりアイツに言わねーから何回も相談にこられて、挙句にはさっきメガトロンに殴られたんだぞ!!」
持っていたアイスを振りかざしオーバーリアクションを取っても奴は表示一つ変えずに冷ややかな顔をしてる。
それがまた相手のイライラを増幅させるのをこいつは解っていないらしい。
「 悪かったな 」
「・・・はい??」
「話そうとして来たが 部屋にはいなかった」
こいつから聞いたことのない謝罪の言葉に、持っていたアイスを落としそうになった。
「わ・・解ってりゃいいんだよ・・。」
先に謝られては何とも居心地が悪い。詰め寄っていた感情と右足を半歩引くと目線を左に反らした。
「・・サンダークラッカーなら俺の部屋にいる筈だぜ。だからって・・俺様の部屋には来るなよ!!」
「そこまでするほど お前みたいに馬鹿じゃない」
「なっ・・・!てめぇこの俺様が親切に教えてやってんのに・・!!」
目線を戻し睨みつけ、わなわなと怒る自分にサウンドウェーブは背を向けるとゆっくり歩きだし、数歩歩くと立ち止まった。
「因みに」
「・・因みに・・何だよ。」
「そのアイスは俺のだが、お前にやる」
こちらに顔を向けずとも、上から目線のあの顔付きなのが手に取るように解る。
元はと言えば、あいつが回りくどい事しなきゃサンダークラッカーだって何回も俺のとこに相談なんて来なかったはずだし、さっきも俺様は怒られずに済んだ。
つくづく腹の立つイカレ参謀だな。
エネルゴンジュースを一気飲みしただけでは気は収まらず、冷庫を再び開けて上のほうを見るとアイスが隠してあった。
「誰のか知らねーけど、名前書いておかないのが悪いぜ!」
アイスをつかみ取り意気揚々とラウンジを出て自室に戻ろうと歩いていたら、前方に見える人物のお陰で忘れていた苛立ちが再び込み上げてきた。
どういう展開なのかサウンドウェーブはこちらの存在に気がつく素振りも見せず、何をするでもなく、自分の足元をじっと見つめサンダークラッカーの部屋の前で立ち尽くしている。
「・・おい、何やってんだよ。」
「 別に」
自分の声に反応したサウンドウェーブは頭を上げ、その場を立ち去ろうとした。
「おぃおい、別にじゃねーだろ。ちゃんと話してやれよ!お前のせいで俺様も迷惑してんだ!!」
歩き出そうとするサウンドウェーブの前に回り込み詰め寄る。
「お前に迷惑かけた覚えはない」
「十ッ分迷惑かかってんだよ!お前がはっきりアイツに言わねーから何回も相談にこられて、挙句にはさっきメガトロンに殴られたんだぞ!!」
持っていたアイスを振りかざしオーバーリアクションを取っても奴は表示一つ変えずに冷ややかな顔をしてる。
それがまた相手のイライラを増幅させるのをこいつは解っていないらしい。
「 悪かったな 」
「・・・はい??」
「話そうとして来たが 部屋にはいなかった」
こいつから聞いたことのない謝罪の言葉に、持っていたアイスを落としそうになった。
「わ・・解ってりゃいいんだよ・・。」
先に謝られては何とも居心地が悪い。詰め寄っていた感情と右足を半歩引くと目線を左に反らした。
「・・サンダークラッカーなら俺の部屋にいる筈だぜ。だからって・・俺様の部屋には来るなよ!!」
「そこまでするほど お前みたいに馬鹿じゃない」
「なっ・・・!てめぇこの俺様が親切に教えてやってんのに・・!!」
目線を戻し睨みつけ、わなわなと怒る自分にサウンドウェーブは背を向けるとゆっくり歩きだし、数歩歩くと立ち止まった。
「因みに」
「・・因みに・・何だよ。」
「そのアイスは俺のだが、お前にやる」
こちらに顔を向けずとも、上から目線のあの顔付きなのが手に取るように解る。
大好きなアイスをこんなに憎らしく思う日が来るとは。
「だ・・誰がテメーのアイスなんか食うかこのっ・・イカレ野郎がー!!!」
=========
「だ・・誰がテメーのアイスなんか食うかこのっ・・イカレ野郎がー!!!」
=========
今日もこの部屋は変わらずあの懐かしい、いい匂いがする。
「まだケースからは出られねーか・・。」
フレンジーはICUケースで小さく呼吸をしていた。
昨日、スタースクリームの部屋で遊んでいる間もこのおびただしいコードがブレインサーキットにずっと残っていた為に、またここへ来てしまった。
・・・勿論、サウンドウェーブに会うかもしれない妙な緊張感を持ちながらだけど。
時計をちらりと見る。
もう少ししたら、奴が帰ってくるだろう。
「ランブル、ありがとな。俺、もう帰るわ。」
席を立つ自分を見上げ、ランブルはもう行くのか?という顔をしながらドアまで見送ってくれる。
「じゃあさ、後で何かお礼に美味いもの食わせてくれよ!!」
「・・何かあったらな。」
ランブルは目を輝かせて見上げていた。小さい割にそーゆートコはしっかりしてるんだよな、全く。
サウンドウェーブの部屋を出て歩いていたらはっとした。
そういえば・・エネルギー統計の提出が明日までだ。
最近、サウンドウェーブやらフレンジーやら考えることが多くてすっかり忘れてた。
・・頭のオイルが急激に下がってきた気がする。
これはやばい。
自分も昨日のスタースクリームと同じ事になる。
バタバタと音を立て2階まで降り、総合モニター室の扉を開けて部屋に駆け込んだら出ようとしていたスタースクリームに激突した。
「ってえぇ・・」
「いっ・・・てぇなこのバカ!開いた瞬間突っ込むやつがいるか!!」
視界が一瞬暗くなるほどの見事な頭突きだった。
「ご、ごめん・・!あ、そうだ!!エネルギー統計の提出が明日までなんだよ!俺、統計やるの苦手だから・・その・・手伝ってくれ!!」
「・・・っはぁぁっ?!」
ぶつかった頭をさすっていたスタースクリームの口が開いたままになっている。二言目にふざけんなって言われるよなぁ・・と思いながら返事を待っていたら、スタースクリームがいきなり口の端を吊り上げた。
「じゃあ統計が早く片付く方法、教えてやるよ。」
「な・・なんだよ・・・」
スタースクリームはニヤニヤしながら自分の肩に手を置くと聴覚部分に口を寄せる。
「モニター室にプロがいる。そいつに頼め。」
「え・・プロ・・・?」
それだけ言い残すとスタースクリームは小走りで去って行ってしまった。
プロって、そんな奴デストロンにいたっけ?考えながらモニター室に入ったら・・よく解った。
完全にはめられた。
入ってすぐ目に入った青い背中がメインディスプレイで膨大なデータをまとめあげている。
サウンドウェーブに頼めってことかよ・・。
そんな事、俺が出来ないの知ってる癖に。
気がつかれないように、そっと近くのデスクに座りモニターの電源をつける。
ちらりと振り返ったがサウンドウェーブは黙々と作業を続けていた。
気まずいから同じ空間にいたくないが、エネルギー統計はこの部屋でしか処理できない。
つまり・・ここからは絶対に逃げられない。
最っ悪。
デスクに肘をついて顔を覆い、今まで仕事をほったらかしていた自分を恨んでいるとモニターにデータが上がって来た。
が、一目見て泣けてきた。
ため息が漏れるほどまとまりなく、ばらばらに置かれたデータ達。少しでもまとめとけばよかった・・これじゃ集めるだけで時間がかかる。
はぁぁ~・・。
========
迷いなく組み上げていくデータ。
あー・・俺、いつのまに統計上手くなったんだろ。
上手く・・・?ん?!
視覚センサーを開きがばっと頭を上げると画面には綺麗に統計が取れたデータのみ映っていた。
「え・・・?」
目を細めてよーくモニターを見る。
何で統計が出来上がっているのか、いつ寝たのか全然解らないがデータはきちんと区分され一発で比較出来るまで見事に仕上がっていた。
すげーな・・これ。
画面を食い入るように見つめて送りボタンを押していたら突然、後ろでイスを引く音がした。
驚いて振り返るとそこには足を組み、頬杖を付きながらコンソールをいじるサウンドウェーブの姿。えらくのんびりした様子で画面操作をしている。
俺はというと、暫くその姿を見て硬直していた。
って・・驚いて振り返ったのに相手はこっちを気にしてないなんて、これじゃあ自分だけ意識してるみたいじゃねーか・・・。
何やってんだ、俺は。
何だか恥ずかしくなって、そーっと音を立てないように体を元の向きに直すと突然、話しかられた。
「それだと統計が足りないか」
「えっ・・・あっ、統計って・・」
振り返り画面とサウンドウェーブの横顔を交互に見比べる。
「まさか・・統計、やってくれたのか・・・?」
俺がスタースクリームに苦手だと言っていたのを聞いて、助けてくれたのだろうか。
椅子のひじ掛けを握り締め、サウンドウェーブの横顔を見ながら答えを待っていると逆に質問された。
「この前の話し 覚えているか」
「・・この前って?」
俺がキスした理由聞いた時のことか?あれはあれで終わったんじゃなかったのかよ。
何でまたその話題を出してきた・・?
まさか、嘘でしたとか。
じゃあ何が嘘だったって?
意味が無かった事が?
冗談だろ。だって俺は・・
一層強くひじ掛けを握り締め、サウンドウェーブの横顔を見つめていると奴はゆっくり話しはじめた。
「意味がないというのは嘘だ」
「…じゃあ何」
「ずっと考えていた お前の事を」
そこまで言うとサウンドウェーブは椅子を回転させこちらを向いた。
迷いなくこちらを見る赤いバイザーから目を逸らしたくなる。
次に何を言われるのか・・怖い。
「まだケースからは出られねーか・・。」
フレンジーはICUケースで小さく呼吸をしていた。
昨日、スタースクリームの部屋で遊んでいる間もこのおびただしいコードがブレインサーキットにずっと残っていた為に、またここへ来てしまった。
・・・勿論、サウンドウェーブに会うかもしれない妙な緊張感を持ちながらだけど。
時計をちらりと見る。
もう少ししたら、奴が帰ってくるだろう。
「ランブル、ありがとな。俺、もう帰るわ。」
席を立つ自分を見上げ、ランブルはもう行くのか?という顔をしながらドアまで見送ってくれる。
「じゃあさ、後で何かお礼に美味いもの食わせてくれよ!!」
「・・何かあったらな。」
ランブルは目を輝かせて見上げていた。小さい割にそーゆートコはしっかりしてるんだよな、全く。
サウンドウェーブの部屋を出て歩いていたらはっとした。
そういえば・・エネルギー統計の提出が明日までだ。
最近、サウンドウェーブやらフレンジーやら考えることが多くてすっかり忘れてた。
・・頭のオイルが急激に下がってきた気がする。
これはやばい。
自分も昨日のスタースクリームと同じ事になる。
バタバタと音を立て2階まで降り、総合モニター室の扉を開けて部屋に駆け込んだら出ようとしていたスタースクリームに激突した。
「ってえぇ・・」
「いっ・・・てぇなこのバカ!開いた瞬間突っ込むやつがいるか!!」
視界が一瞬暗くなるほどの見事な頭突きだった。
「ご、ごめん・・!あ、そうだ!!エネルギー統計の提出が明日までなんだよ!俺、統計やるの苦手だから・・その・・手伝ってくれ!!」
「・・・っはぁぁっ?!」
ぶつかった頭をさすっていたスタースクリームの口が開いたままになっている。二言目にふざけんなって言われるよなぁ・・と思いながら返事を待っていたら、スタースクリームがいきなり口の端を吊り上げた。
「じゃあ統計が早く片付く方法、教えてやるよ。」
「な・・なんだよ・・・」
スタースクリームはニヤニヤしながら自分の肩に手を置くと聴覚部分に口を寄せる。
「モニター室にプロがいる。そいつに頼め。」
「え・・プロ・・・?」
それだけ言い残すとスタースクリームは小走りで去って行ってしまった。
プロって、そんな奴デストロンにいたっけ?考えながらモニター室に入ったら・・よく解った。
完全にはめられた。
入ってすぐ目に入った青い背中がメインディスプレイで膨大なデータをまとめあげている。
サウンドウェーブに頼めってことかよ・・。
そんな事、俺が出来ないの知ってる癖に。
気がつかれないように、そっと近くのデスクに座りモニターの電源をつける。
ちらりと振り返ったがサウンドウェーブは黙々と作業を続けていた。
気まずいから同じ空間にいたくないが、エネルギー統計はこの部屋でしか処理できない。
つまり・・ここからは絶対に逃げられない。
最っ悪。
デスクに肘をついて顔を覆い、今まで仕事をほったらかしていた自分を恨んでいるとモニターにデータが上がって来た。
が、一目見て泣けてきた。
ため息が漏れるほどまとまりなく、ばらばらに置かれたデータ達。少しでもまとめとけばよかった・・これじゃ集めるだけで時間がかかる。
はぁぁ~・・。
========
迷いなく組み上げていくデータ。
あー・・俺、いつのまに統計上手くなったんだろ。
上手く・・・?ん?!
視覚センサーを開きがばっと頭を上げると画面には綺麗に統計が取れたデータのみ映っていた。
「え・・・?」
目を細めてよーくモニターを見る。
何で統計が出来上がっているのか、いつ寝たのか全然解らないがデータはきちんと区分され一発で比較出来るまで見事に仕上がっていた。
すげーな・・これ。
画面を食い入るように見つめて送りボタンを押していたら突然、後ろでイスを引く音がした。
驚いて振り返るとそこには足を組み、頬杖を付きながらコンソールをいじるサウンドウェーブの姿。えらくのんびりした様子で画面操作をしている。
俺はというと、暫くその姿を見て硬直していた。
って・・驚いて振り返ったのに相手はこっちを気にしてないなんて、これじゃあ自分だけ意識してるみたいじゃねーか・・・。
何やってんだ、俺は。
何だか恥ずかしくなって、そーっと音を立てないように体を元の向きに直すと突然、話しかられた。
「それだと統計が足りないか」
「えっ・・・あっ、統計って・・」
振り返り画面とサウンドウェーブの横顔を交互に見比べる。
「まさか・・統計、やってくれたのか・・・?」
俺がスタースクリームに苦手だと言っていたのを聞いて、助けてくれたのだろうか。
椅子のひじ掛けを握り締め、サウンドウェーブの横顔を見ながら答えを待っていると逆に質問された。
「この前の話し 覚えているか」
「・・この前って?」
俺がキスした理由聞いた時のことか?あれはあれで終わったんじゃなかったのかよ。
何でまたその話題を出してきた・・?
まさか、嘘でしたとか。
じゃあ何が嘘だったって?
意味が無かった事が?
冗談だろ。だって俺は・・
一層強くひじ掛けを握り締め、サウンドウェーブの横顔を見つめていると奴はゆっくり話しはじめた。
「意味がないというのは嘘だ」
「…じゃあ何」
「ずっと考えていた お前の事を」
そこまで言うとサウンドウェーブは椅子を回転させこちらを向いた。
迷いなくこちらを見る赤いバイザーから目を逸らしたくなる。
次に何を言われるのか・・怖い。
「好きだ」
「・・は・・?」
今、何て言った?
好きって・・俺の事が・・?
「冗談で言っている訳ではない」
「いや、だって・・お前、俺は・・」
突然の単語にブレインサーキットがフリーズを起こしし、相手に返す言葉が見つからない。
サウンドウェーブは視線を逸らす事なく自分を見つめているが、それがまた怖いほど先程の単語を本気にさせる。
俺の事何も知らないはずなのに。
いきなり好きって・・何だよ。
「だ・・だってお前・・。俺はただの航空兵だぜ?第一、俺の事何も知らないで好きっておかしいと思うけど・・・」
「それについて もう一つ話しがある」
そこまで言うとサウンドウェーブは立ち上がり、こちらに背を向けてメインコンソールの前に立った。
「・・何だよ・・」
感情の解らない奴だけど、次の言葉に少しためらっているのが分かる。
まぁ、今の告白以上に深刻な話はないと思うが。
「以前 お前とスタースクリームと一緒に出撃した時に サンダークラッカー お前が負傷した」
「あぁ・・。それで・・?」
「早急にリペアが必要だった為 任務を中断して俺がリペアを行ったが どうしても記憶回路を切らなければ助けられない状態だった」
「なっ・・」
「 黙っていて 悪かった 」
さっきの告白が霞む程の新たな事実に、言葉が詰まった。
記憶回路を切るということは一部データが破損する事を意味しているが、記憶が消えていると自覚したことは無い。
つまりは、俺だけ何も知らなかったのか。
任務に失敗して、挙句には知らない間に記憶まで消された俺を見て
周りは笑っていたっていうのかよ。
続く
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